プロ大工のお願いブログ

〜仕事を楽に楽しく考える〜

大工と道具屋のここだけの話し2

たまには楽に力を抜きましょう

 

ある戸建て現場の朝早く、親方入場。

師弟で仕事をしている。

 

親方大工:「さっき、道具屋に寄って来た」

 

その手に持つもの、、「高圧ピンネイラー」(タッカ、釘打機)だ。

親方大工:「この鉄砲がやっと直ったって言うから」

 

親方はネイラーを全て鉄砲と呼ぶ。

確かな腕をもった仕事の鬼と呼ばれるキャリア40年大工だ。通称ボス

 

親方大工:「この鉄砲の芯棒、直ぐ壊れるからな」

 

子方大工:「親方はたくさん道具を持っているっすね」

「買っても高いのに修理も結構あって大変っすね」

 

親方大工:「今月は色々買ったのが重なったなぁ!」

「これは一つしか無いから、直って良かった」

 

ここで応援メンバーが一言。忠犬大工だ。

 

忠犬大工:「足りない道具があったら言ってつかぁさい!」

 

忠犬大工は親方の弟子。

普段は個別に物件をやっている。

キャリア20年の大ベテランだがこの世界では中堅。

親方を尊敬、崇拝する、凄腕大工だ。通称ゴリ

 

今は仕上げ工事に移行し急ピッチで仕事を進めている。

 

ピンネイラーが直って本当に良かった。

 

親方は安堵した表情。

 

今日朝の現場は落ち着いている。

 

親方大工:「じゃぁ仕事始めるか!」

 

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しばらくして親方が、子方の所にやって来た。

 

鬼の形相。

 

親方大工:「こ、この鉄砲、直っとらん!」

「2週間も待ったのに!」

 

子方大工:「ドライバがまた折れたのかも?困ったっすね」

 

親方大工:「ゴリ、今だけ貸してくれるか?」

 

忠犬大工:「もちろんです。あっしのを使ってつかぁさい!」

「あっしが道具屋に言ってやります!」

 

緊急事態だ、直ちに道具屋へ向かうのでした。

 

因みに子方大工のマカロニは車を持っていない。

カーローンも通らないが、最近の若い人は車に興味がない。

 

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忠犬大工:「親方のこの鉄砲、直って無かったよ!」

 

道具屋:「すみません。担当が自分じゃ無かったかもです」

 

忠犬大工:「今日朝、引き取ったばかりの鉄砲だよ!」

 

道具屋:「調べさせて下さい」

 

忠犬大工:「大至急直らない?あと修理費は出せないよ!」

 

道具屋は調べ物をしている。

 

道具屋:「分りました、確かに2周間前。修理に出しています」

「で、今日引き取りに来られたのですね」

 

忠犬大工:「そう!その鉄砲が直ってなかったんだよ!」

 

道具屋:「でも、きちんと修理済みになっています」

「あ、その工具は ピン釘打機 になっています」

 

忠犬大工:「さっきからそう言ってるっつうに!」

 

道具屋:「ゴリさんが手にしているのは 仕上釘打機 ですよ?」

 

 

忠犬大工:「はぅ!?」↓↓↓

道具屋は 仕上釘打機 のマガジンを開けた。

そこにはピンネイルが装填されていました。

 

道具屋:「これも修理なさいますか?」

 

忠犬大工:これは持って帰ります

「ここだけの話にしてつかぁさい」orz