在来工法でのプレカットの継ぎ手。
土台は腰掛けあり継ぎ。
他の横架材では「腰掛け鎌継ぎ」だ。
↑拾い画
それは何故か?
疑問に思った事のある人はどのくらいいるだろうか。
その理由を知ってる人。
また自説であっても直ぐに答えられる人はいるだろうか?
僕は若造の頃、疑問に思っていた。
他にもっと良い継ぎ手の形状は色々あるからだ。
鎌継ぎは加工に手間が掛かり強度は低いからね。
通常は容易で強い継ぎ手を採用するべきなのだ。
正式な理由は知らないが経験から断言出来る事がある。
それが答え。
・その1番の理由は材料が少なく済む。
・2番目は加工機に合うと言う事。
・補足して大きさの変わる材を継ぐのに適している。
木材の規格寸法はミリメートルであり、
大くはコスパの良い3m、4mでの材料を使用する。
その中でどれだけ無駄が出ないように考えて墨を付けて行く訳だが
最も無駄(利用価値のない材料の余り)が少ないのが鎌継ぎなのだ。
工作機械から見れば加工範囲、形状から見るとこれは鎌継ぎ一択と言う感じだろう。
疑問に思い悩んでいた人、、
一つ楽になったね
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ここからは無駄話、、
「そんな無駄が出た事は経験上無い」と言う大工さんも居るかも知れない。
それは尺モジュール(910mm)の物件ではないか?
メーターモジュール(1000mm)の墨付け技術は全く一緒という訳にはいかない。
半間や一間に満たない範囲の長さで無駄が多く発生するのだ。
(これは小さな工務店とかの話でプレカット工場では用途は幾らでもあるので関係ない話ではある)。
リフォームなど家を解体する時、継ぎ手は「追っかけ」なんだけど一箇所だけ何故か鎌継ぎなんだよね、って事もある。
つまりそこだけ材料の長さが足りなかったという事なんだね。
大工的には苦肉の策と言うか、出来れば使いたく無いのが鎌継ぎだと思う。
継ぎ手の話として、手刻み在来工法で「強い継ぎ手」を使用するなら
メートル規格の木材と尺モジュールは非常に合うと言う事も言いたい。
もちろん最も材料の無駄が出ないのは
「メートル規格の木材」と
「メーターモジュール」の家
という事にはなるのだが、その方法としては継ぎ手を使用しない事になる。
と言うか出来ない。継ぎ手とは重なり代だからだ。
ではどうするかと言うと通し柱を増やすという事になる。
なので最も材料の無駄を少なく出来ると考えられるメーターモジュールの家と言うのは
コスパが良い気がするが、通し柱を多く使うのでそうでも無いのだ。
組み立ての手間、時間も多く掛かってしまい効率も悪い。
なので僕は手刻み加工のメーターモジュールの家でも通し柱に頼らず組み立ての手間、木材も多くかからない継ぎ手、仕口を考えている。
その方法はまたの機会に。
ゆうすけさんは世界でもっと評価されるべきだと思う(見れるかな?)