流れとしてこの続きになります。
バリの出ない丸鋸の加工法の話しです。
今日も若大工が愛船で来てくれた。
2つ目の船だ。名前が判明、クルーザーの「スポーツマンシップ丸」だ。
快活でさわやかな汗が似合う若大工らしい白い大きな船。
「丸」はもちろん丸鋸からだそう。
牽引力の乏しいプロ大工は若大工が来てくれるのが嬉しい。
やべ、あの話を聞かれる。
若大工:「回転が逆に回る丸鋸の使用感を教えてくれませんか?」
プロ大工:「本当に?」
若大工:「はい、それと某ブログで示唆するような記事もありましたよ」
プロ大工:「??、それってインターネット?そんな事も出来るの?」
若大工:「プロ大工さんだって出来ますよ」
プロ大工:「そうかなー?そこまで煽ててくれるなら言うよ」
「前から、丸鋸にドリルみたいな正逆切り替えが欲しいと思ってて」
「いろいろな思いがあって長くなりそうで話しにくかった」
「結論を先に言うと、使える」
若大工:「使えるんですか、てっきり使えないのかと思ってました」
プロ大工:「使えないと言えば使えないかもだけどね」
若大工:「そこのところを詳しく聞きたいです」
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toshikane氏に教えて貰い、逆に回転する丸鋸での加工を実験していた時期があります。
・まず、通常の丸鋸のイメージを言わせて下さい。
イメージは除雪機だ。
母材を下から上へ切断しながら押して行くので粉塵、おが粉を撒き散らしながら進む。
墨線も見えなくなるし、母材からバリも出る。
・回転が逆の場合、イメージはスキーだ。
或いはスノーモビル。
自らが前進し、粉塵、おが粉は前から後ろへ出る。
前方はスッキリして墨線も見えると思うしバリは出ない。
バリが出る要素が無いので不可能を可能に出来る事がありそう。
それは回転数と送りの関係を度外視した加工。
切削や切断の加工では切削ツール別の「回転数」と「送り」(進む時間)が必要。
その関係を間違えると、加工面が荒れるのだ。
石膏ボートの切断加工だけで考えるとバリが出る要素が無いので、送りのスピードを超越した加工が出来そうだ。
具体的に言うと、仮に910mm巾を1秒で切断する作業とするなら0、5秒でズバッと出来ないかな?
コバ面が多少荒れても表面は綺麗なはずだ。
これが出来たら画期的ぢゃね?
と思っていましたが、ずっと昔から工作機械であったそう。
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昔々、自動鉋の逆回転機があったそうな。
逆目が出ないので2枚刃でも問題なかったが不揃いの垂木を3本以上入れると
材料がミサイルのように飛び、負荷が大きいと峰打ち現象が起こってトラブルがあったそうな。そしてその会社は倒産したそう。
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峰打ち現象はググっても出てきませんが、おそらく綺麗に切れず、叩かれた様な状態だと推測。
そう言う機械を製品化した会社が過去にあった話は感銘をうけました。
それからキックフロント現象。刃が食いついて前に走って危険な事が起きる場合があるそうだ。
だが母材が固くなく刃の出が少ない場合は問題ないと思われる。
丸鋸が自ら進んでくれるので逆に楽になると予測。
現在でも工作所では、逆転マルノコの付いた軸傾斜盤等、有るとの事。
定盤下からマルノコ刃が逆転して毛引き切断をしてから後、正回転の大きなマルノコ刃が全体を挽き割る。この場合、裏表ともバリが出ないそうです。
後半はtoshikane氏の話でした。
勉強になりますね!(苦笑)
長くなったので今回はココまでorz
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プロ大工:「僕からも逆に質問したい事が有るんだけど良い?」
若大工:「はい?何でしょう?」
プロ大工:「友達か知り合いに”青大工”っていない?」
若大工:「そう言う知り合いはいませんよ」
プロ大工:「そっか、それなら良いんだ」