面材加工術のはなし。
面材加工で厄介な作業がある。
割り切れない角度、ごく僅かに斜めに切断する微調整加工。
「ひかり切断」「自在切断」と呼んでいる。
何故厄介かと言うと「一点もの」になるので速度が上がらないから。
斜め切断であっても角度が決まっていたら直角切断、平行切断同様の加工が出来る。
それが、出来ないのがひかり切断。
例を上げると壁ボード先行で天井ボードを壁にぶつけた時にぴったり合わない事はあるあるです。
特に最終ラインや最後の一枚など。
そんなひかり切断を楽に行うツールがある。
直線カットツール「切り墨定規」が優れていると思う。
↓参考、スパイク付切墨定規
丸鋸ガイドとも言うが、そのネーミングは特定が難しい。
丸鋸に使用する定規は全て丸鋸ガイドだから。
ここでは上の画像の様なツールを「切り墨定規」と呼ぶ。
切り墨定規の名称はtoshikaneさんに教えて頂いた。
マキタが製品化する際に名付けたようだ。
非常に優れた便利なツールです。
意図するマーク、ラインに合わせるだけで切断できる。
これで一件落着!
と言いたいのだけど、手間請け系の大工の世界では、切り墨定規が実用的ではない場面も多い。
一番の理由は刃の出をシビアに浅くしている者にとっては、切り墨定規は高さが変わるので煩わしい。
他には平行を調整する機構が前後にある丸鋸だと平行のセッティングの度に切り墨定規も確認しないといけない、めんどくさ。
複数の丸鋸を使い分ける者にとって機種ごとに切り墨定規を用意するのは工房内作業なら可能であるが、持ち歩くには管理が大変だったり、、。
それらの問題を解消するのが即席で作る丸鋸ベース幅分の定規。
切り墨定規ならぬ、「逃げ墨定規」と呼んでいる。
簡単に説明してみる。
まず逃げ墨定規の作り方。
↑0カット出来ない丸鋸平行定規をベースにカチンと当てて装着する(最重要!)
↓参考
そして挽き割る。
それが「逃げ墨定規」となる。
使い方。
↓中央に直角の墨。
左にあるのが切断したい墨とする。
↓切断したい墨に逃げ墨定規を合わせる。
↓逃げ墨定規にエルアングル等のガイドを合わせる。
↓逃げ墨定規を取り外す。
この状態で切断と言う訳。
※微調整カットの場合は直角や並行を基準線とし、目測で行うのがスマート。
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墨出しの方法で逃げ墨(寄り墨、返り墨)と言うものがある。
逃げ墨定規とは現代大工的な考え方としてはガイド墨。
しかしながら、上記の問題点の様に丸鋸のベースの幅は決まった寸法、思っている寸法では無い可能性も、、。
(ずっと以前の丸鋸はそんな事なかったのに困ったものです)
その場で瞬時で作る丸鋸ベース幅治具
「逃げ墨定規」なら超安心!
加工作業をしていると、
「これ絶対使わないな」と言う余材が必ず出ますよね。
その時に作ってみては?
逃げ墨定規は、メインで1800mm位のが一つあれば良いかと。
その時一緒に作るのが、サブベース部分も含めた逃げ墨定規。
↑「逃げピタ」です。
hideさんのガイド墨定規同様みなさま( `・∀・´)ノヨロシク
僕は2つ作ります。
逃げピタは長距離カットや短距離カットで威力を発揮。
↓使用例
手前と奥に逃げピタを置いてガイドを合わせるだけ。
微妙な切断も簡単です。
逃げ墨定規と逃げピタ、、
ゴミと間違えて捨てないようにね(笑)
これでひかり切断も精度が増しスピーディーに、、。
一つ楽になったね